世界で注目される循環型経済社会
近年、異常気象による河川の氾濫や干ばつ、森林火災など自然災害が世界各地で多発しています。その原因の一つとされているのが、温室効果ガス排出量の増加です。二酸化炭素(CO2)に代表される温室効果ガスには、太陽から放出される熱を閉じ込めて地表を温める働きがあるものの、大量に排出されると気温が上昇。地球温暖化を招き、地球上のすべての生命に多大なリスクをもたらすといわれています。
それゆえ、地球温暖化を防ぐためには、いかに温室効果ガスの排出量を減らすか。とはいえ、完全にゼロにすることは現実的に不可能です。
その中で、世界で注目されているのが「カーボンニュートラル」。排出量を再生可能エネルギー等の使用により相殺して、全体としてプラスマイナスゼロにするという考え方です。
持続可能な未来、カーボンニュートラルを実現させるためには、企業の取り組みが欠かせません。
こうしたなか、一つのヒントとなっているのが「循環型経済社会」です。
これは、大量生産・大量消費・大量廃棄に象徴される従来の経済システムではなく、これまで廃棄されてきたモノを新たな資源として再活用することで、廃棄物を出さずに資源を循環させる経済の仕組みのこと。循環型経済社会が実現すれば、カーボンニュートラルの実現や環境負荷の低減はもちろん、新たな価値を創出する経済的なメリットも生まれると期待されています。
そんな循環型経済社会の実現に貢献する事業を、創業以来80年以上にわたって取り組んできたのが私たち啓愛社です。
「地球環境を守る」という思いを胸に
「資源リサイクル」と「モノづくり」の二本柱からなる私たちの事業の根底にあるのは「地球環境を守る」という思いです。
そのために、試行錯誤を繰り返しながら技術力を高め、国内外で設備体制を構築。3R(Reduce<発生抑制>・Reuse<再使用>・Recycle<再利用>)を積極的に推進してきました。
例えば、資源リサイクルにおいては、回収された金属や使用済自動車などから使える部品をリサイクルパーツとして再利用するほか、残りのアルミやスクラップは再資源化を図り、原料として再生させています。
こうしたリサイクル原料からモノづくりを行うことで、新しく一から製造するよりも余計なエネルギーを使わずに済み、CO2排出量を減らすことができます。
つまり、私たち啓愛社の活動・製品・サービスを通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献でき、地球温暖化防止につながるのです。
一方、自動車部品の製造においても、私たちはCO2排出量の削減に取り組み、地球にやさしいモノづくりを実践しています。原材料やエネルギーを無駄なく有効活用することで、環境負荷の低減と省エネを図っており、今後は再生可能エネルギーへの転換も検討しているところです。
こうした私たちの取り組みは、世界から見れば小さなものかもしれません。
しかし、積み重ねていくことで大きな力となり、地球環境を守ることにつながると信じています。持続可能な未来のために、これからも一歩一歩、私たちは着実に歩んでまいります。
代表取締役社長鶴田 哲也